2018年8月28日火曜日

熱射病の対処法

【首・わき・鼠径部を氷で冷やす方法では体温が全然下がらない!?】

皆さんこんにちは
pml横浜店の宮内です。
今日は熱射病の対処法について書きます。
命に関わる事なので頭に入れておいてください。





実はこの方法、全然深部体温が下がらないと言われています。
重度な熱中症である熱射病になった人がいて、その人の首、わき、鼠径部にただ氷を置いて冷やしても、深部体温が下がるスピードはかなり遅いので、下手をすれば命を落とすことに繋がってしまいます。

「熱射病」は、熱中症の中でも最も重度な状態で、
特徴は「神経・精神の障害」と「40.5℃以上の深部体温」が挙げられます。
深部体温が40.5℃以上の状態が長い時間続いてしまうと、全身の炎症反応から多臓器不全へと進み、最悪の場合は死に至ります。

よって、少しでも早く深部体温を下げることが、熱射病患者の命を救うことに繋がるのです。

【どれくらいのスピードで、どれくらい深部体温を下げるべきなのか】

NATAの熱中症に関するポジションステイトメントによると、熱射病になってしまった人への対応・処置として一刻も早く行うべきと示されているのが「熱射病になってしまってから30分以内に、深部体温を38.9℃以下に下げる」ということです。

30分の間で、1.6℃は最低でも下げなくてはいけません。

【様々な冷却方法とぞれぞれの冷却スピード】

体温を下げるための冷却方法と、それぞれの方法による冷却スピード(=1分でどれくらい深部体温が下がるか)を比較したグラフがこちらです。



1)「首・わき・鼠径部でのアイシング」が脱落。
それくらい、この方法での冷却は深部体温が下がるスピードが遅いため、この方法のみに頼るのはとても危険です。

2)氷で冷やした水風呂(2℃・8℃)に全身浸かる

深部体温を最も素早く下げることのできる方法がこの「氷で冷やした水風呂に全身を浸からせること」です。

上の表で示したのは研究(2℃・8℃)での結果で、冷却スピードはそれぞれ「1分で0.35℃」と「1分で0.19℃」の深部体温を下げることができました。

その他の研究でも「1分で0.15℃」以上の冷却スピードを示しています。

NATAのポジションステイトメントには、熱射病になってしまった人に対する対処法・ケアとして、「全身(首まで)を1.7℃〜15℃の水風呂に浸からせ、常にその水をかき混ぜることで、最も効果的な冷却を行うことができ、1分で約0.2℃の深部体温減少を引き起こすことができるだろう」と示しています。

3)約12℃の水を全身にかけ続ける+アイスマッサージ

McDermottらによる研究は、全身を水風呂に浸からせるのではなく、水をかけ続けるという方法を用いました。

さらに加えて、大きい筋肉(胸・お腹・前もも・ふくらはぎ)をアイスバッグでひたすらアイスマッサージをし続けるというケアを行なっています。

水の温度は約12℃が使用されたということで、NATAのポジションステイトメントで示された水風呂で使用するべき温度としては有効な範囲です。

ですが結果として、この方法での冷却スピードは「1分で0.13℃」でした。

いくら水をかけ続けたとしても、そこには冷たい水が肌に触れていない時間帯があるため、大きい筋肉のアイスマッサージも行なってなるべく全身冷やし続けたようですが、「全身水に浸かる」という方法と比べると、冷却スピードは遅くなったと考えられます。

また、MacDermottらの研究は「ひたすら水をかける」人と「アイスマッサージをし続ける」人は、合計で6〜8人もいたようです。

これだけ多くの人が熱射病患者にこの方法で対応をして、「1分で0.13℃」の冷却スピードだったということです。
対応人数が少なければ、もっと冷却スピードは落ちるでしょう。

4)15℃の水道水を全身にかけ続ける

こちらはHeledらの研究より。水道水という説明はありましたが、水温は15℃とあるため、こちらもNATAの推薦範囲内の水温です。

2)との違いは「アイスマッサージをしたかしていないか」です。

この方法による冷却スピードは「1時間で2.5〜3.0℃」のスピードだったと結論づけられています。

これはつまり「1分で0.041〜0.05℃」の深部体温が下がるスピード。
かなりスピードが落ちましたね。

このスピードでは、もし仮に熱射病患者の深部体温が43℃あった場合、1時間水道水を全身にかけ続けてもまだ40℃です。これでは、命を落とす危険性はかなり高いとともに、臓器にかなりのダメージが起きてしまいます。

効果的な冷却方法とは言えません。

2)の研究とは、使われた水温が約3℃異なるため、温度の違いも冷却スピードに影響した可能性はありますが、水温よりも、全身をとにかく冷やし続ける(冷えていない場所・時間を作らない)ということが深部体温を効果的に下げるために必要なのだと思います。

5)扇風機に当たる

扇風機は4m/秒のスピードで、室温22℃の部屋の中で研究が行われました。結果は「1分で0.03℃」の冷却スピード。

これは「首・わき・鼠径部へのアイシング」と冷却スピードはあまり変わりません。

扇風機に当たること自体は、汗を蒸発させて気化熱による体温の減少を狙っているので間違ってはいないのですが、この方法のみでは、なかなか深部体温は素早く下がってはくれません。

NATAポジションステイトメントには、もし全身を浸からせる水風呂ができない状況にある場合は、全身ではなくても、部分的に浸からせることができる部位は水に浸からせて(手や足などだけでも)、残りの部位は氷で冷やしたタオルを全身に当てて冷やしましょう、とあります。とにかく全身の肌を冷やし続けることが大切です。

出来るだけ早く体温を下げるように組み合わせて対応することがベストです。

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